電気自動車の耐用年数と減価償却|国税庁の区分と事業で使う時の考え方

事務所の駐車場の電気自動車と帳簿に「EVの耐用年数」の文字

当サイトは経済産業省・国土交通省など公的機関の公開情報と自動車メーカーの公式情報をもとに編集部が独自に執筆しています。補助金・税制・車両の価格や性能は年度や時期で変わるため、申請や購入の前に各制度の公式ページとメーカーの公式情報で最新の内容を確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

仕事で使う車をEVにしようと考えると、『電気自動車の耐用年数って何年?』『減価償却はガソリン車と同じ?』と気になりますよね。

結論から言うと、国税庁の区分では、軽自動車のEVは4年、普通車・小型車のEVは6年です。EVだけの特別な区分はなく、ガソリン車と同じ表で決まります。

この記事では、電気自動車の耐用年数と減価償却の考え方を、新車・中古車、手放す時期とあわせて見ていきます。

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目次

電気自動車の耐用年数は何年?国税庁の区分

先に結論

国税庁の耐用年数の表では、一般用の自動車は「小型車(総排気量0.66リットル以下)」が4年、「その他のもの」が6年です。排気量がない電気自動車は、軽自動車にあたるものを「小型車」として4年で扱い、それ以外は6年の区分になります。

『EVには排気量がないのに、どの区分に入るの?』と迷う方も多いはずです。

電気自動車の耐用年数は、国税庁の通達で決められています。軽自動車にあたる電気自動車は「小型車」に該当するものとして扱う、とされているんです(耐用年数の適用等に関する取扱通達2-5-11)。

車の種類国税庁の区分法定耐用年数
軽EV(道路運送車両法の軽自動車)小型車として扱う4年
普通車・小型車のEVその他のもの6年
軽のガソリン車(0.66リットル以下)小型車4年
普通車・小型車のガソリン車その他のもの6年
貨物(ダンプ式)貨物自動車4年
貨物(ダンプ式以外)貨物自動車5年

普通車・小型車のEVについて、通達に特別な定めはありません。そのため「その他のもの」の6年になります。

電気自動車の耐用年数を国税庁のサイトで確かめたい時は、確定申告書等作成コーナーの「耐用年数(車両・運搬具/工具)」のページが分かりやすいですよ。

減価償却って、そもそも何?

『減価償却という言葉は聞くけど、よく分からない』という方も多いですよね。

事業で使う車は、買った年に代金をまとめて経費にするのではなく、耐用年数に合わせて何年かに分けて経費にしていきます。これが減価償却なんです。

例えば、普通車のEVなら6年、軽EVなら4年の間に、少しずつ経費として計上していくイメージです。年ごとにいくらずつ分けるかは、償却の方法(毎年同じ額か、最初に多めか)で変わります。

言葉意味
法定耐用年数経費に分けていく年数。国税庁の表で決まる
減価償却費その年に経費にする額
帳簿に残っている額まだ経費にしていない分の額
償却の方法毎年同じ額にするか、最初に多めにするかなどの決め方

仕事とプライベートで使う場合

個人事業の方で、同じEVを仕事にも家の用事にも使うこともありますよね。

その場合は、仕事で使った割合の分だけを経費にする、という考え方になります。割合の決め方(走った距離か、使った日数かなど)は、記録を残しておくと説明しやすくなります。

補足

自宅で充電した電気代も、仕事で使った分を経費にできるかどうかは、記録のしかた次第で変わります。どう分けるかは、税理士か税務署に確かめてみてください。

耐用年数とバッテリーの寿命は、別のもの

ここが大事なところです

法定耐用年数は、税金の計算で使う「経費に分ける年数」です。車やバッテリーが実際に何年使えるかとは別の話なんです。

『6年で償却が終わるなら、EVは6年しか乗れないの?』と思った方もいるかもしれませんね。

実はそうではありません。法定耐用年数は、買った金額を何年かに分けて経費にするための、税金の上の決まりです。

法定耐用年数
  • 税金の計算で使う年数
  • 国税庁の表で車の区分ごとに決まっている
  • 過ぎても車は使い続けられる
実際に使える年数
  • 車の状態や使い方で変わる
  • バッテリーの状態はメーカーの保証や点検で確かめる
  • 公的に決まった年数はない
電気自動車の法定耐用年数と実際に使える年数の違いを並べた図解

駆動用バッテリーの劣化や寿命の考え方は、電気自動車のバッテリー寿命で詳しく紹介しています。

新車・中古車と、手放す時期で見る帳簿の関係

この記事の見方

事業で使うEVは、新車か中古車か、何年目に手放すかで、帳簿の扱いが変わります。補助金をもらった車は、保有の決まりも重なるので、時期を並べて見ておくのがおすすめです。

電気自動車ガイドでは、事業で使うEVの「買い方」と「手放す時期」を並べた表を作ってみました。

買い方耐用年数の考え方早めに手放す時償却が終わってから手放す時
新車(普通車・小型車のEV)6年帳簿に残っている額と売った額の差を、売却の損益として扱う帳簿に残る額が小さいので、売った額の多くが売却の益になりやすい
新車(軽EV)4年同じく、帳簿の残りと売った額の差を損益で扱う同じく、売った額の多くが益になりやすい
中古車新車と同じ年数を使うとは限らない。国税庁の案内か税理士に確認帳簿の残りと売った額の差を損益で扱う同上
補助金をもらった新車上と同じ年数保有期間(自家用の乗用車は4年)の内に手放すと、事前の承認と返納が必要になることがある保有期間を過ぎていれば返納の手続きは不要
事業で使うEVの新車・中古車と手放す時期ごとの帳簿と補助金の関係を並べた図解

『売った時の益って、何?』と思う方もいるはずです。帳簿に残っている車の額より高く売れた時、その差は利益として扱われるんです。

具体的な計算や申告のしかたは、事業の形(個人事業か法人か)で違います。顧問の税理士か、税務署に確かめてみてください。

中古のEVを事業用に買う時

中古で買ったEVは、すでに何年か使われています。そのため、新車と同じ耐用年数をそのまま使うとは限りません。

中古の車の耐用年数の扱いは、国税庁の案内に載っています。年数の計算は、購入前に税理士に相談しておくと安心です。

中古のEVを事業用に買う前に
  • 初めて登録された年月を車検証で確かめる
  • 中古資産の耐用年数の扱いを国税庁の案内か税理士に確かめる
  • 駆動用バッテリーの状態とメーカーの保証が残っているかを聞く
  • 国のCEV補助金は中古車が対象外であることを踏まえて予算を立てる

補助金をもらったEVを事業で使う時の注意

先に結論

国のCEV補助金は、車検証が「自家用」の新車が対象で、「事業用」の車は対象外です。補助金をもらった車は、自家用の乗用車で4年の保有期間(処分制限期間)があります。

『仕事で使うなら補助金はもらえないの?』と思う方もいるかもしれません。

個人事業や会社で使う車でも、車検証の自家用・事業用の別が「自家用」なら、国のCEV補助金の対象になります。対象外になるのは、車検証が「事業用」の車です。

確かめる点内容(2026年10月時点)
対象の車新車新規登録の自家用の車。中古車・事業用の車は対象外
保有期間自家用の乗用車(普通・小型・軽)は4年
期間内に手放す時事前に財産処分の承認申請が必要。返納額は残りの期間の割合で決まる
事業用への変更交付決定の後に事業用へ変える時は変更の届け出が必要
税の扱い所得税法第42条または法人税法第42条の規定を使える(具体的には税務署・税理士へ)
よくある失敗

耐用年数の4年や6年と、補助金の保有期間の4年を混同してしまうことです。耐用年数は税金の計算の年数、保有期間は補助金のルールで、別々に確かめる必要があります。

法人やリースでEVを入れる時の補助金は、法人・リースで電気自動車を導入する時の補助金でまとめています。

電気自動車の即時償却はできる?

先に結論

買った年に一度に経費にする「即時償却」が使えるかどうかは、その時々の税制の特例や、事業の規模・条件によって変わります。EVだから使える、と決まっているわけではありません。

『EVなら即時償却できるって聞いたけど?』という話を見かけることがありますよね。

電気自動車の即時償却については、この記事で確かめた国税庁の耐用年数の資料には、EVだけを対象にした定めは見当たりませんでした。特例が使えるかどうかは、買う年の税制と事業の条件しだいです。

『節税になるならEVにしたい』と考える場合こそ、購入前に顧問の税理士へ「今年この車を買ったら、どんな償却ができますか」と聞いてみてください。

電気自動車の耐用年数について、知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「EV充電器の勘定科目と耐用年数は?」「EVの耐用年数(走行距離)はどれくらい?」「バッテリー以外は長持ち?」という相談がよく読まれています。

ここでは、電気自動車の耐用年数について多く読まれている相談を、要約して紹介します。

「EV充電器(充電設備)の勘定科目と、法定耐用年数は?」

会社の駐車場に充電設備を付けた時の経理処理が分からない、という相談です。

充電設備は車とは別の資産で、設備の内容や付け方によって扱いが分かれることがあります。この記事では年数を断定できないので、工事の見積書や仕様書を手元に用意して、税理士か税務署に確かめるのが確実です。

「電気自動車の耐用年数(走行距離)はどのくらい?」

エンジン車は長持ちと聞くけれど、EVは何年、何キロ乗れるのか、という相談です。

ここで言う「耐用年数」は、税金の上の年数ではなく、実際に乗れる年数のことですね。実際に乗れる年数や距離に、公的に決まった数字はありません。

駆動用バッテリーの保証の年数や距離は、メーカーごとに決まっています。購入前に、保証の内容を販売店に確かめておくと安心です。

「電気自動車は、バッテリー以外は耐用年数が長い?」

エンジンがないぶん、他の部品は長持ちするのでは、という相談です。

EVはエンジン周りの部品がないので、オイルなどの交換は基本的にありません。ただ、タイヤやブレーキ、補機用のバッテリーなどは、ガソリン車と同じように点検と交換が必要です。

事業用のEVを手放す時に考えること

先に結論

事業で使ったEVを手放す時は、帳簿に残っている額、補助金の保有期間、売った額の3つを並べて考えます。売った額によって、帳簿の上の損益が変わります。

車を入れ替える時期は、償却の進み具合と、次に乗る車の予定を合わせて考えたいですよね。

手放す前の確認の流れ
  1. 帳簿に残っている車の額を確かめる
  2. 補助金をもらった車なら、保有期間が過ぎているかを確かめる
  3. 今の車の相場を調べる
  4. 売った時の損益と申告のしかたを税理士に確認する

EVへの乗り換えなどで今の車を手放す時は、販売店の下取りだけでなく、買取店に売る方法もあります。先に相場を知っておくと判断しやすくなります。

手放す時の値段の考え方は、電気自動車のリセールバリューも参考にしてください。

新しい車に乗り換える前に、今の車の手放し方も決めておく

新しい車への乗り換えを考えているなら、今の車をどうするかも先に考えておくと安心です。

『新しい車のことで頭がいっぱいで、そこまで考えていなかった』という方も多いですよね。

手放し方の選択肢

今の車は、購入する販売店での下取りのほかに、買取店に売る方法もあります。複数の会社に査定してもらうと、条件を比べたうえで決められます。

納車のタイミングと手放す時期をそろえておくと、車が無い期間もつくらずに済みます。

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よくある質問

電気自動車の耐用年数は何年ですか?

国税庁の区分で、軽自動車にあたるEVは「小型車」として4年、普通車・小型車のEVは「その他のもの」として6年です。EVだけの特別な区分はありません。

電気自動車の減価償却の耐用年数は、ガソリン車と同じですか?

同じ表で決まります。軽のガソリン車とEVはどちらも4年、普通車・小型車はどちらも6年です。

法定耐用年数を過ぎたら、車は使えなくなりますか?

使えなくなるわけではありません。法定耐用年数は税金の計算で使う年数で、車の実際の寿命とは別のものです。

補助金をもらったEVの税金の扱いはどうなりますか?

国のCEV補助金の案内では、所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)または法人税法第42条の規定を使えるとされています。具体的な処理は、税務署か税理士に相談してみてください。

中古のEVの耐用年数はどう考えますか?

中古で買った車は、新車と同じ年数をそのまま使うとは限りません。国税庁の案内を確かめるか、購入前に税理士に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 電気自動車の耐用年数は、軽EVが4年、普通車・小型車のEVが6年(国税庁の区分)
  • 法定耐用年数は税金の計算の年数で、車やバッテリーの実際の寿命とは別
  • 中古のEVは新車と同じ年数を使うとは限らない。国税庁の案内か税理士に確認
  • 補助金をもらった自家用の乗用車は4年の保有期間がある
  • 即時償却が使えるかは、その年の税制と事業の条件しだい
電気自動車ガイド

電気自動車ガイド 編集部

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